前回、街の様子について書きましたが、今回はマッサージのボランティア活動について書こうと思います。
毎日、避難所までは整体マリナーズの方の車で移動していました。現地に着くと早速マッサージ開始です。
畳の上に布団を敷いて、その上で洋服の上から全身のマッサージを行いました。背面を重点的に行い、前面で手や足、頭部、頸部、肩など、必要な場所に触れて行く感じです。
エサレンボディワークのセトリングストロークを丁寧に行うことで、心身ともに力をぬいていただくことができたように感じます。
湊中学校では、リフレクソロジーと、頭部、頸部、肩回りなどに触れていきました。
あまり待つことなく、受けたいという方がいらしてくださり、避難所に生活されている方、ボランティアのお手伝いをされている現地の方、ボランティアスタッフの皆さんなど、3日間で20名ぐらいのかたにさせていただきました。
避難生活をされている方は、肩、腰回りの緊張がとても強く、息を留めている感じや、体をこわばらせている感じが伝わってきます。
ボランティアの活動をされている方は、ハードに体を使われている感じが受取れ、比較的被害が少なく、ボランティア団体のお手伝いに入ってる地元の方や、ボランティアスタッフさんも、かなりの疲労が感じられました。
自身の体が悲鳴をあげているのに、「私よりもっと大変な思いをしている人がいるのだから、、、」と頑張っている方もいらっしゃり、心が痛くなることも度々ありました。
手や足はオイルをつけることができると思い、イランイラン(憂鬱、パニック、情緒不安定、自信喪失、睡眠障害)&レモングラス(血行不良、無気力、肩こり腰痛、緊張感)のブレンドオイル、手の消毒と、前面になった時に香りを楽しんでいただくために、ティトリー(免疫促進、抗菌、抗炎症)&ラベンダー(ストレス緩和、抗うつ、催眠)のスプレーを持参し、受けて下さる方に合わせて使いました。
香りは、情動をつかさどる脳に穏やかに働きかけるので、緊張の続く生活をされている方にはやはり効果があると実感。
一番初めにさせていただいた方は、脳梗塞で半身が不自由になってしまったおばあさんでした。
マサージを受けるのがはじめてで、はじめは体を固くされていましたが、終了するころには体の力もぬけ、お顔の力もぬけた感じでほっとしました。
息子さんに、「やってもらえて良かったな」と言われると、「よかった、よかった」と笑顔で応えていらっしゃいました。
津波の被害には遭ったものの、家の中に残ったものがあり、「拾ってもどうしようもないのだけれど、毎日拾いに行っています」という女性のお話は、何も無くなってしまうこともつらいけれど、残った物を拾い集めることも、とてもつらい作業だと感じました。
治療の途中で、被害に遭い、通院できなくなってしまっている方などは、痛みを我慢しながらの生活がとてもつらそうでした。
膝の炎症を持っているお爺さんも、痛みを我慢しながら生活をされている様子で、マッサージをはじめてすぐに眠りにつき、終了後なかなか意識が戻らずにいましたが、起きてから軽くなった脚の感覚を喜んでいらっしゃいました。
精神的なストレスは、どの方からも感じとれ、心身のケアの必要性を強く感じました。
マッサージの最中に「こんなに気持ち良いことを、私も人にしてあげれるようになりたい。それを目標に頑張ろうと思います」とおっしゃられた方がいました。
ご家族を亡くされた方なのですが、「頑張りすぎずに、ご自身を大切にしてくださいね」と声をかけると、「そうね、まず自分からよね。人に優しくしてもらってもいいのよね」との言葉に、大きくうなずくしかありませんでした。
本当に、まずはご自身を大切に、無理はされないでくださいという気持ちでいっぱいになりましたが、何かをしたいという衝動、目的が、生きていく原動力になることに、あらためて気付かされました。
マッサージ中は何もお話をされず、終了後に「体を動かしはじめないとだめだよね」と言われて帰られた方もいて、
3,40分のマッサージでしたが、ご自身の体や心について、何か感じてもらえたのかな、、、と思うと、参加できてよかったなと思えます。
私の方から話しかけることはあまりせず、体の感覚に心を向けていただけたらと、触れることだけに集中していました。終了後は、
今度いつ来るの?、また受けたい、今まで受けたことのないマッサージでとても気持ち良かった、などの言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
「ありがとう」と言われることにはじめは抵抗を感じていたのですが、お互いさまでいいのだなと、途中から気持ちを切り替えることができました。
湊中学校では、腕に包帯を巻き首から吊っている4,5歳の女の子が、ニコニコ元気に笑いながら食堂で遊んでいました。
あ~、笑顔っていいな。何よりのビタミン剤!と思い、その女の子を見ながら娯楽、レクリエーションがもっとあったらいいなとも感じました。
誰でもできるようなダンスの講座とか、互いに背中や、足などに触れる、簡単なマッサージの講座とか、、、。
(※私は、オイルトリートメントは娯楽として考えてもいいかなと思っています。楽しく、気持ち良く、健康に貢献できるようなものであるのがいいな◎)
アロマオイルを使用したクラフト作成とか、合唱とか、、、。案を出すのは簡単ですねxxx
避難所での生活は、あまり動かずに一日を過ごされる方も多いようです。外に出ても、被害を受けた街並みと、空気の悪さで気がめいってしまうのだと思います。
でも、とどまっていると気持ちが動かないのも確かです。
これからは、「やりますよ」から「一緒にやりましょう」が必要になってくるように感じました。
共に、動きはじめること。動きながら、笑いながら、涙を流していくことができたら。。。
仮設住宅が建ち始め、マッサージのボランティア活動も流動的に変化してきています。長期に滞在されているスタッフさん同士でこれからに必要なことをミーティングし、一日も早くより良い状態になるようにと頑張られています。
東京にいても、常に現地で頑張っている方々と繋がっていたいなと思います。
被害に遭われた方々は、生きていることについて様々な思いを抱えながら生活されています。
命ある限り、せめてつらい思いをされたと同じぐらいは、生きていてよかったと思えることが訪れるよう願わずにはいられません。
帰って来てからも、数日避難所でマッサージをさせていただいた方の夢を見たりしていました。
体験をしたことを、頭が整理しているのだな~と思いますが、個人的な気持ちはなるべく入れないようにと思っても、やはり入ってしまうものだなと、自分を観察しています。。。
※写真は、即席で作った看板?と、マッサージ用に食堂の隅に置かれているテント
3 (現地での出会い)につづく、、、。
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